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胃の働きを理解することで、胃手術後の看護がわかる

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今回は「胃の働きを理解することで、胃手術後の看護がわかる」について記載していきますね。

 

臨床現場で働いていると、既往歴に“幽門側胃切除術”“胃全摘術”施行後、今回は○○の入院。

 

というような患者さんを見かけたことがありませんか。

 

既往歴を全て把握するのは難しいですが、理解している人、理解していない人で比較すると、観察ポイントが変わってくるというのは、間違いないでしょう。

 

今回の入院に直接関係はないと思われがちですが、患者さんの身体がどのような状態になっているのかを正しく理解していないと、異常の早期発見を行うことができません。

 

では、基本的な胃の働きってなに?胃には、逆流防止に幽門機能と噴門があるの?胃手術後には、どのように看護していくことが大切なの?解説していきましょう!

 

基本的な胃の働きってなに?

 

まずは、基本的なことを書いていきますね。

 

胃は、上腹部にあって、食道と十二指腸の間にあります。

 

胃の入り口を噴門、出口を幽門といいます。

 

胃の働きとしては、

 

・貯留し、胃液と混ざる

・十二指腸へ流れる

・逆流防止機能がある

・消化し、吸収する

 

というのが、胃の役割となります。

 

食物を摂取すると、胃に入っていき貯留していきます。

 

その貯留した食物を、胃液と交じり合って、ドロドロな粥のような形に変化させていきます。

 

ずっと貯留していると、胃がパンパンになり、食物を摂取できなくなりますよね。

 

これを防ぐために、2時間程度の時間をかけて、十二指腸へ流れていきます。

 

十二指腸の中では、膵液や胆汁と交じり合って、消化吸収ができるように調整します。

 

胃の働きについて、簡単に説明すると、このような流れになるので、覚えておきましょう。

 

胃には、逆流防止に幽門機能と噴門があるの?

 

最初に書いた、胃の入り口である噴門、出口の幽門についてです。

 

これらには、逆流防止機能が備わっています。

 

噴門

 

胃の入り口である噴門は、胃液が食道に逆流しない機能があります。

 

この機能が失われてしまうと、逆流性食道炎を起こしてしまうのが、よく知られています。

 

嚥下機能が弱まっている高齢者の場合、逆流性食道炎だけではなくて、誤嚥による誤嚥性肺炎を起こす可能性もあるので、注意が必要です。

 

幽門部

 

胃の出口である幽門は、十二指腸の中にある膵液、胆汁を胃へ逆流しないようにする機能があります。

 

胆汁が胃に流れてしまうと、胃炎を起こしてしまうことがあります。

 

胃炎を起こすと、胃部不快感や食欲不振、嘔気につながるので、注意が必要になります。

 

これらの逆流防止機能ですが、手術によって失われてしまうと、どうなるでしょうか。

 

胃手術後には、どのように看護していくことが大切なの?

 

胃の手術には、

 

・幽門側胃切除術

・噴門側胃切除術

・胃全摘術

 

というように、色々な術式があります。

 

幽門と噴門を切除するということは、上記に書いた逆流防止機能が低下することを意味します。

 

胃切除後の有名な症状としては、ダンピング症状がありますよね。

 

胃を切除すると、胃液の分泌、貯留する機能が低下します。

 

その状態で食物が入ってしまうと、腹痛や下痢、嘔吐などの消化器症状、冷汗、動悸などの循環器症状が出てしまいます、

 

この状態を早期ダンピング症状といいます。

 

また後期ダンピング症状には、食物に含まれるブドウ糖だけが、すぐに吸収されてしまうことで、高血糖状態を作り出してしまいます。

 

身体は、インスリンで血糖値を下げようとし過剰に反応することで、低血糖を起こします。

 

症状としては、低血糖症状による頭痛、めまい、冷汗などがあります。

 

幽門部、噴門部の逆流防止、そしてダンピング症状の予防のためには、食事に関してのコントロールが必要です。

 

少しずつ食べるようにして、場合によっては1回量を少なくして調節していくことが大事です。

 

胃の手術後は、基本的に消化吸収機能が低下しているので、貧血、カルシウム不足などが起こる可能性があることを、理解していることが大切です。

 

胃の術後において、

 

・幽門が温存されているのか

・噴門が温存されているのか

・どちらも切除された状態なのか

 

これらを基礎知識と合わせて理解することで、看護の観察ポイントが見えてきます。

 

例えば、噴門側胃切除術の場合、幽門は温存されますが、噴門は切除されています。

 

ということは、ダンピング症状は比較的抑えることは期待できますが、胃酸や胃内容物が食道に逆流しやすい状態が想定されます。

 

逆流性食道炎を起こさないように、

 

・すぐに臥床しないこと

・内服薬の調整

・寝る前に経口摂取しないこと

 

という風に、看護師として関わっていくことができます。

 

症状として、胸焼けや嘔気、嘔吐があるので、患者さんのそのような症状が出ている場合には、上記の説明をしていくことができます。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

基礎知識を基本として考えていくことができれば、なんとなく観察していたことが、理解して関わることに変化していきます。

 

なんとなく、「胃の手術をしたんだなー。」

 

ではなくて、

 

「胃の手術は○○で、胃の働きはこうだから。」

 

というように考えることができれば、同じ腹部症状を見ても、視点が違いますよね。

 

正しい知識を持って看護をすることは、自分自身のスキルアップにつながり、患者さんの安全を確保することにもつながります。

 




 

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