地域で最期まで暮らすため、看護師や多職種の連携が必要
今回は「地域で最期まで暮らすため、看護師や多職種の連携が必要」について記載していきますね。
エンドオブライフケアという言葉を聞いたことはありますか?
定義を確認すると、概念が様々あり、死の数日前という捉え方から死の数年前という捉え方があります。
今までの看取りでは、病院での最期が当たり前でした。
しかし近年では、様々な生き方、価値観を尊重し、介護施設や自宅で最期を迎えることが増えてきています。
ただ、自宅で暮らし、そのまま放置して最期を迎えるということには、なりませんよね。
家族や訪問看護師、施設であれば介護職員の協力がなければ、最善と思われる最期を迎えることは困難です。
では、在宅療養中の患者さんに、訪問看護師はどうアプローチしていく?地域で良い最期を迎えるために、病棟看護師はどのような役割がある?多職種との連携が、良い最期につながる?解説していきましょう!
在宅療養中の患者さんに、訪問看護師はどうアプローチしていく?
病院に入院している場合には、すぐ近くに患者さんがいたので、全身状態が変化していないのか、観察することができますよね。
でも、在宅療養中となると、いつでも訪問に行けるわけでは当然ありません。
患者さんの生活空間に入り、援助をすることに視点が変わるためです。
患者さんの状態によって、週3回なのか、週1回なのか、はたまた月1回なのか、一人一人違います。
当然、意識して関わっていかないと、入院している時に比べ、接点が少なくなってしまいます。
意識して関わるというのは、患者さんは訪問看護以外にも、デイサービス、ヘルパーの方に介入してもらっているなど、様々なサービスを利用しています。
次回の訪問看護まで、健康で過ごせるために、連携をすることが大切なんですね。
訪問看護師は、1回の訪問で、
・患者さんに変化がないのか
・患者さん、または家族から新たな要望はないか
・在宅生活において、困っていることや不足していることはないか
などを確認、観察、処置を行っていき、療養生活が快適に過ごせるように配慮していく必要があります。
先日、施設間交流として訪問看護を2日間、見学する機会がありました。
そこで感じたのは、
・患者さん一人一人の生活空間の違い
・患者さんや家族のニーズも一人一人違う
・抱えている問題も、一人一人違う
ということです。
地域で良い最期を迎えるということは、困った際に、訪問看護師間のカンファレンスを行い、情報共有をしていくことです。
情報共有をし、最善と思われる対応をしていくことが、望ましいと考えます。
地域で良い最期を迎えるために、病棟看護師はどのような役割がある?
地域で最期を迎える患者さんに対して、病棟看護師は、入院中だけ看護をしていれば良いと言うことには、当然なりません。
入院中に、在宅に向けて患者さんの要望を詳しく確認し、在宅を支援する訪問看護師や多職種へ情報伝達が大切です。
疾患の治療状況や既往歴といった、一般的な情報は、医師からの情報で把握することはできます。
ですが、患者さんのケア状態、処置の状況を記載した看護添書を、参考になることが多いのです。
患者さんの要望、日頃在宅に退院してからは、○○をしたいというように話していました。
というような文章があれば、良い在宅生活をするヒントになるのではないでしょうか。
病棟看護師の役割で一番大切なことは、在宅生活に向けての準備を適切に行うことです。
どういうことかというと、在宅退院に向けて準備を行っていないと、
・本人は、病名以外を理解しているのかわからない
・家族の支援体制が、万全ではなく、誰がキーパーソンとなるか決まっていない
・今まで車椅子だったが、入院中はベッド上で過ごしており、起き上がれるのか確認できていない
というように、在宅に戻ってからの生活環境を整えることが難しい状態になります。
生活環境を整えるというのは、
・ベッドはどのようなものを準備するのか
・日常生活において、不足となるものは何か
・寝たきり状態なのか、少しは動ける状態なのか
というように、何をどのように準備するのかまで、考えていく必要があります。
在宅の生活を考える上で、外泊をすることは、在宅生活のイメージをつけやすいです。
実際に外泊をして、その際に訪問看護師が訪問できるような体制にもでき、何が必要なのかを在宅の現場で検討することもできます。
そのため、外泊準備を整えていくことは、病棟看護師の大事な役割の一つだと考えます。
多職種との連携が、良い最期につながる?
在宅での生活を最期まで本人が望むのであれば、それを最小限の苦痛で過ごせるように調整することが、良い最期と言えるのではないでしょうか。
そのためには、当然家族のみでは大きな負担となり、限界があります。
多職種というのは、訪問看護師、ヘルパー、ケアマネ、訪問診療の医師というように、それぞれの分野で在宅生活を支えることになります。
例えば、ある在宅患者さんでの1日の生活の中で、
ヘルパー、訪問看護、ヘルパー
というように、日常生活援助をそれぞれの分野が担うことができます。
体調に変化があれば、訪問看護師が、医師に報告し訪問診療を依頼する形になります。
何か異変があれば、いつでもサポートできる体制を構築することで、初めて安心した在宅生活を送ることができます。
患者さんと家族、訪問看護師などの多職種が、お互いに歩みよって、最善と思われる方法を適時、選んでいくことが大切なのではないでしょうか。
いかがでしたでしょうか?
高齢者の場合には、自分自身の意思表示をすることが、少ない場合が多いです。
また、病状の進行と同時に認知症状が悪化することも容易に予想されます。
ただ、できるだけ本人の意向を尊重することが大切なので、丁寧に確認していくことが、望ましいです。
看護師は、ゆっくりとした空間で、本人の素直な気持ちを確認できる配慮が必要になります。
それと同時に、家族の意向も確認していく必要があります。
一人一人、考え方も違いますし、病状の進行具合、身体症状、精神症状など、全てが違います。
だからこそ、在宅で良い最期を迎えるために、丁寧かつ迅速な準備が必要となるのではないでしょうか。
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初めまして。
私は訪問看護をしています。
在宅でお看取りもさせていただいています。
日常のケアはもちろん、ブログに書いてある通り、連携することでスムーズになると思います。ただ、良い病院であればあるほど、病院から離れようとはしないのです。どういうことかというと、主治医を在宅医に変えてくださらないのです。こうなってしまうと、家でのお看取りはできません。このままで
なくなってしまうと、検死されて死亡確認です。
そこの意識を変えていただけたらいいなぁ、と思ってます。
コメントありがとうございます♪
確かにそうですね。今までの主治医との関係性もあるので、なかなか在宅医への変更に抵抗がある方は多いと、感じますね。
少し話しは変わりますが、転院をする場合にも、転院先の医師に変更になるという説明がある時にも、同じような反応がありますね。
難しい話題ではありますが、”本人と家族が何を求め、望んでいるのか”という視点が、一つポイントになっていくのかもしれませんね。