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終末期の倦怠感は、看護師としてどう対応したらいい?

今回は「終末期の倦怠感に対して、看護師はどう対応したらいいのか?」について記載していきますね。

あなたは、緩和期の患者さんで、身の置き所がないような倦怠感に遭遇したことはありますか?

私は、色々な科を経験しているので、何度か経験したことがあります。その時にいつも思うことは、「この対応で本当によかったのだろうか。患者さんの苦痛をとるために、最善を尽くせたのだろうか。」とふと考えることがあります。

今までも何度か経験したことがありましたが、先日、肺小細胞癌で亡くなった方がいたので、振り返りたいと思いました、また、倦怠感に対しての知識を交えながら皆さんと一緒にスキルアップができたらよいなと思います。

では、事例の振り返りを行い、その後に倦怠感の知識を解説していきますね!



今回亡くなった緩和期の患者さんを振り返って

80代の男性で、肺小細胞癌を患っている患者さん。うちの病棟は、慢性期なので、他の病棟から緩和期の方や今後転院するような方、寝たきりの方などが主な病棟です。

この方は、前の病棟でケアマネと本人、家族と打ち合わせをし、自宅に一時的にでも退院する予定でした。しかし、うちの病棟にきて数日後には、みるみる食欲が低下し、全身倦怠感が強く出てきました。

幸い、肺小細胞癌ではありましたが、呼吸状態は安定しており、SPO2の低下は一度もありませんでした。とにかく、全身倦怠感なんです。痛みは、医療用麻薬であるオキシコンチンを内服していたこともあり、訴えはありませんでした。

もちろん何もしていないわけでは、ありませんでした。ベタメタゾンというステロイドの薬を内服は、していました。しかし日に日に、病状は悪くなり、患者さんからは「うわーーーー!なんとかしてくれ。トイレーーー。」というように、身の置き所がない状態、でも排泄欲求もあるのでトイレに行きたい。こんな状態になっていきました。

予後も週単位なので、本当に家に連れて帰るのか、そもそも本人が望んでいることなのか?という話が、看護師間でも頻繁にカンファレンスが行われました。たまたま運が悪く、家族がインフルエンザになってしまい、面会に来ることができない時期がありました。医師から家族に説明はしますが、どうも患者さんの苦痛を完全に取り除くような話になりませんでした。

毎日毎日、医師に持続鎮静の適応ではないのかを確認しました。そして、家族が面会に来られる日に、現状を説明し、ドルミカム(鎮静薬)+塩酸モルヒネ(医療用麻薬)を24時間投与となりました。

家族は、困惑している様子もありましたが、現状を説明し本人のための最善を考えていきましょうと説明しました
。それまでは、時折寝ていることもありましたが、ほぼ苦悶表情が続いている状態でした。

持続鎮静後からは、表情が穏やかで呼吸状態も安定し、本当に寝ているだけのように見えました。

1週間ほどそのような状態が続き、先日静かに亡くなられました。

今回の事例を通して、改めて緩和ケアとは、あくまで本人の苦痛を取り除かなければいけないということを感じました。

背景として、自宅に帰す可能性があるので持続鎮静はできない、家族が面会に来られなかったので、持続鎮静にストップがかかっているような状態でした。

確かに、間違っているとは言い切れない部分はあります。でも、もしこれが自分が患者さんだったとしたら?そのように考えてみると、「一刻も早くこの苦痛を取り除いてほしい。」と感じます。

患者さん本人はもちろん、家族ケアも大変重要なのが、緩和期にいる方です。お互いが満足するような医療処置を提供していかなければいけないと思います。

終末期の倦怠感に対しては、どう対応したらいいのか?

がんの患者さんは、亡くなる1カ月以内の段階だと、身体症状の中で最も頻度が高いとされています。その程度も急速に増強していくのが、特徴です。今回の事例でも、まさにこの状態でした。

そこで一般的に使用していく薬剤は、ステロイドになります。ステロイドは、倦怠感を軽減させるような力を持っています。

死亡3か月前、1か月前、数日前だと倦怠感の程度はかなり異なるということを理解している必要があります。今回の身の置き所のない状態というのは、死期が近くなっているということが判断できます。

この状態になってしまうと、倦怠感に対して積極的なステロイド治療は、効果がでなくなってきます。この時期は、方針を切り替えなければいけない時期だとされています。

じゃあ、いつステロイドの治療は中止するの?という疑問がありますが、これは統一した見解がないのが現状です。今までの緩和期を経験した印象だと、予後が1週間あたりになると、中止している印象があります。

なぜ中止をするのかというと、効果がないのに続けるということは、ステロイド投与による不眠の影響が出るかもしれませんし、せん妄を出現させる原因になってしまうからです。

倦怠感に対して、間欠的鎮静という方法があります。倦怠感を緩和するためには、休息が必要です。なので、数時間のみ眠れるように薬剤を使用していくという考え方ですね。

緩和期の患者さんの苦痛を取り除くことは、難しいことがよくあります。その時、最善と思われる方法を医療者や家族、本人と相談して、決めていくのが正解なのだと思います。

看護師は、本人と家族にとって一番良い方法について考えていき、情報提供をしていく役割があります。家族が決めかねているなら、時には本人のためにどうしたらよいのかアプローチする必要もあります。

または、患者さん本人が混乱しているときには、寄り添って安心して日々を過ごせるように配慮する必要もあります。

医師と相談し、最善の方法を検討していく必要もあります。患者さんや家族の身近な存在は、看護師なのです。だからこそ、何でも相談できる関係が大事です。今回の事例と、終末期の倦怠感の知識が、あなたの臨床現場で少しでも役に立てればと思います。




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