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下痢が続く患者さんの臀部が発赤。看護師としての対応は?

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今回は「排泄物によって、臀部が発赤になったとき、どう考えるか」について記載していきますね。

 

あなたは、寝たきり患者さんのオムツ交換をしているとき、臀部の発赤やオムツかぶれというのを見たことはありますか?

 

慢性期病棟、療養病棟といった場所で働いている看護師は、特に寝たきり患者さんの看護が多いですよね。

 

日々の看護の中で、

 

「○○さんが最近下痢になっているから、皮膚状態の悪化に気をつけないと。」

 

 

こんなやり取りを、聞いたことがあるはずです。

 

なぜ、下痢が続くと皮膚状態が悪化するのでしょうか。

 

 

では、

 

・接触皮膚炎ってなに?発赤ができる原因?

 

・失禁が皮膚にどう悪影響を与えている?

 

・失禁からの皮膚炎を予防するために、必要なケアは?

 

解説していきましょう!

 

 

接触皮膚炎ってなに?発赤ができる原因?

 

接触皮膚炎という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

 

接触皮膚炎というのは、

 

・紅班

・水泡

・びらん

 

 

というような症状が主に出現して、かゆみや痛みといった症状も出てくるのが特徴です。

 

接触皮膚炎といっても、

 

・一次刺激性接触皮膚炎

・アレルギー性接触皮膚炎

 

というように、分けられています。

 

一次刺激性接触皮膚炎というのは、洗剤や石けんなどの刺激によって起こす皮膚炎。

 

アレルギー性接触皮膚炎というのは、金属アレルギーといわれているように、皮膚表面がアレルギー反応を起こしているイメージで覚えておくと良いです。

 

一般的に“おむつかぶれ”と言われているのは、失禁をした尿や便が分解され、アンモニアという強い刺激物質に変化し、それが臀部に触れてしまったことで、発赤が起こってしまった状態をいいます。

 

ただ、どんなに皮膚ケアの対策をしていても、臀部の発赤やびらんといった症状が出てしまうことがあります。

 

確かに、接触皮膚炎が影響しているのは間違いないですが、それだけが原因ではないので、次にまとめていきます。

 

 

失禁が皮膚にどう悪影響を与えている?

 

まず、皮膚について少し書きますね。

 

皮膚というのは、表皮と真皮で構成されています。

 

表皮というのは角化細胞から構成され、皮膚バリアの役割を担っています。

 

正常な場合、水や水溶性のものが透過するのを防ぐ力をもっています。

 

ですが、皮膚にも弱点というのが存在します。

 

 

それは、

 

“長時間、皮膚が水分に触れていると、皮膚浸軟が起こる”

 

ということです。

 

皮膚浸軟が起きると、表皮にある皮膚バリア機能を低下、そして破綻させるのです。

 

そして、便にはリパーゼや消化酵素を含んでいるので、さらに皮膚バリア機能を低下させていきます。

 

「じゃあ、なぜ発赤が起きるの?」

 

という話しになりますよね。

 

その原因として考えられているのは、皮膚のバリア機能を低下させるだけではなくて、組織にダメージを与えているためです。

 

皮膚組織にダメージを受けると、毛細血管から出血を起こし、それが発赤という形で症状として現れます。

 

 

だから、下痢が続いている患者さんは、

 

・長時間、水分に触れて皮膚浸軟が起こり、皮膚バリア機能が低下する

・便に含まれている物質が、皮膚バリア機能を低下する

・触れていることで、接触皮膚炎を起こす

 

というような悪い条件が揃ってしまうので、皮膚が悪化しやすいわけなんですね。

 

 

失禁からの皮膚炎を予防するために、必要なケアは?

 

先ほど書いたように、発赤が起きているということは、皮膚組織にダメージがあるということを意味します。

 

この状態までいくと、治癒するまでにどうしても時間がかかってしまいます。

 

そのため、予測的、予防的ケアの視点が重要となります。

 

「じゃあ、どういう時に、どう対応したらいいの?」

 

ここが、看護師が対応するポイントになります。

 

失禁をする全ての患者さんに、スキンケアは必要ないと考えます。

 

・下痢が続いている

・栄養状態が、元々悪い

 

というような条件が揃っている人に、適応となると考えます。

 

予防策としては、

 

・水分が直接触れるのを軽減するクリームやオイル

・各、皮膚保護剤

・皮膚バリア機能を回復させるエモリエント剤

 

 

こういったものを、皮膚トラブルが起こりやすい患者さんに、予防的に行っていくことが大切です。

 

このように、ベテラン看護師は経験で理解しているので、

 

「下痢が続いているから、気をつけないといけない。」

 

というような会話になります。

 

失禁をして、下痢が続いている患者さんがいたら、

 

“皮膚の予防的ケアが必要”

 

 

これを覚えているだけで、看護師として行動ができていきます。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

患者さんの症状に対して、どう看護師が行動するのか。

 

ここが、患者さんの安楽につながります。

 

正しくアセスメントを行うためには、正しい知識が必要です。

 

今回の場合、

 

「発赤があるから、これ以上悪化させないようにしよう。」

 

これも間違いではありませんが、

 

「下痢が続いて、皮膚トラブルが起こりそうなので、早めに予防的ケアを行っていこう。」

 

 

このような考え方のほうが、より良い看護につながるのではないかと考えます。

 

一つ一つの知識、大切にしていきましょう。

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