看護師に必要な基礎知識、スキルアップ、メンタルケア、コミュニケーション能力、考え方などを共有して、患者さんに適切な看護ケアを提供できるようにするブログになります。

あなたは、急変は苦手ですか?急変対応のポイント

今回は「急変のポイント」について記載していきますね。

看護師という仕事をしている上で、急変に出会うことは、ほぼ間違いなくあるでしょう。

急変とは、予想外の状態をいいます。治療内容は、医師の指示によるものですが、医師はベッドサイドにいる時間が限られています。

ベッドサイドに一番長く接する看護師は、第一発見者になる可能性が、極めて高いのです。

急変が起きた時には、発見→治療チームが機能するまで、必ず看護師が初動対応をしなければいけないです。

ポイントは、発見から10分以内に初期対応をしなければいけないといわれています。

「急変なんて、私には無理。」「内科系しかやったことがないから。」

こんな声を聞くことがよくあります。

では、そもそも急変は、なぜ苦手なのでしょう?急変対応を克服するための、決まりごととは?解説していきましょう!



なぜ急変は、いつまでも苦手なのか?

私も、急変対応を経験するまでは、同じことを感じていました。 では、なぜ急変が苦手だったのでしょう?

人間は、本能的に死への恐怖心を持っているからだと思います。自分自身ではなく、患者さんという他者であっても、人は不安な気持ちになるもの。

急変は、予想外の出来事なので、当然頻度が少ないわけです。経験値が少ないので、自信がありません。

なので、何をすればよいのかわからないのです。その中で、瞬間的に優先順位をつけて処置をしていかないといけないので、難しいですよね。

急変対応は、日常的には不要なスキルです。そのため、「いつか機会があったら、学びたい。」

こんな気持ちでは、いつまでたっても、苦手から脱出することはできないです。

急変対応を克服するためには?決まりごとって?

急変対応を得意としている看護師は、なぜ苦手ではないのでしょう?

確かに得意としている多くの看護師は、経験が豊富だと思います。

私は、救急外来で勤務していたので、急変時のおおよその処置は把握しています。

急変時に対応する内容は、要点をおさえていることが大事なのです。
ある程度、優先すべき対応が決まっているのです。

急変対応の決まりごととは、

・見るべき視点を理解している

・やることを理解している

これが大事なのです。これらを理解していると、やるべきことを理解しているので、慌てず迅速に対応することができるようになるんですね。慌てずに対応できるようになれば、苦手意識はなくなっていることでしょう。

急変対応の決まりごと、流れについて

では具体的にしていきましょう。

迅速評価

患者さんと出会って数秒で、「あれ?なんかおかしいな。」と感じることをいいます。

そこで見るべきポイントは、主症状と呼吸・循環・意識という生命徴候を脅かす状態にないかを評価します。

例えば、顔色が悪く、冷汗をかいていた。袋を抱えて、吐血をしている患者さんの場合

主症状:吐血

呼吸:努力呼吸や喘鳴なし

循環:冷汗あり

意識:会話可能。意識はある。

上記のように、評価をします。

報告・応援要請を適切に行うために、ISBARを利用する

ISBARというのを聞いたことはありますか?言葉を覚えるというよりは、感覚で覚えたほうが臨床で動くことができると思いますので、例を交えながら説明していきますね。

I:自分と患者さん名を伝える
S:一番伝えたい状況
B:状況に関連した内容
A:SとBから判断した内容
R:相手への要望や応援

例えば、顔色が悪く、冷汗をかいていた。袋を抱えて、吐血をしている患者さんの場合

I:「○○です。△△さん(患者名)なんですが」

S:「吐血をしています。」

B「顔面蒼白で、冷汗もあります。」

A「そのため、緊急を要する状態だと判断します。」

R「救急カートと主治医、家族へ連絡をお願いします。」

というようになるんですね。このように、系統だてて分けてみると、混乱を最小限にすることができると思います。

応援を呼んだ看護師がきたら、上記に書いた内容を再度伝えましょう。

医師への報告。そして初期対応へ

I:「□□病棟の○○です。△△さんですが」

S「吐血をしています。」

B「バイタルサインは○○で、かなり低く脈拍が速い状況です。10分前に突然鮮血を吐いたようです。意識はありますが、顔面蒼白で冷汗もあります。」

A「そのため、吐血によるショックの徴候が見られ、緊急性が高いと判断します。」

R「先生、緊急で診察をお願いします。来るまでに、点滴や採血など、何か処置をすることはありませんか?」

このように、医師へ報告していきます。

医師が来るまでに、看護師ができる対応としては、ABCDEをみていきます。

A(気道):現在は意識がありますが、意識がなくなり寝たままの状態の場合は、顔を横にして誤嚥を防ぐようにします。

B(呼吸):呼吸状態に変化があれば、酸素投与、バッグバルブマスクを準備しておきます。

C(循環):静脈ルートの確保、採血、心電図モニター装着、輸液指示があれば、投与していきます。

D(意識):意識レベルの再評価をしていきます。

E(外表面):外傷がないかチェックをしていき、必要があれば止血などをしていきます。

今回の場合は、吐血による循環動態がかなり不安定なので、Cを重点的に行いつつ、他も継続してみていく形になります。

いかがでしたか?急変対応が、なぜ苦手なのかというと、正しい対応の方法を知らないからです。

日常的なスキルとしては、確かに不要かもしれません。今、私は慢性期病棟にいますが、常に「この患者さんが急変したらどうなるのだろう。」というように、シミュレーションをしながら看護業務を行っています。

つまり、患者さんの最悪の状況を想定しているのです。急に想定外のことが起きたら、焦りますよね?焦ってしまうと、正しい評価や処置ができなくなってしまいます。

じゃあ、どういう風に想定しているの?という話しになりますが、基本的には疾患名から最悪の状況を想定します。例に挙げた消化管出血もそうですし、誤嚥性肺炎の方であれば、呼吸状態が悪化した場合には、どう対応するか?を想定しています。

漠然とした急変対応を考えると、不安ばかり強くなりますが、一つ一つの要点を理解していると、不安は軽減されていくと思います。常に、急変の可能性があるということを頭に入れておき、何もなければ笑顔で日常の看護を提供する。

これでいいんだと思います。正しい知識と技術をつけていきましょう!




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コメント

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  • コメント (6)

    • M
    • 2016年 11月 15日

    とても分かりやすくて素敵なブログです!ぜひ、もっといろいろ教えて下さい!
    私は元もと整形病棟で働いてあまり急変や亡くなる人にあたらず…結婚して病院をかわり内科のある病棟に配属になりましたが、急変や死亡退院が怖くなり…流産もしてしまったので退職となりました。ですが…どこかで急変時どういう流れでしたかとかカンファレンスがずっと欲しかったです。先輩方は分かっているけれど…断片的な経鼻が抜けたら看護師でいれてるのですか?入れてるよ。で終わり。私の質問の仕方も広がる質問でなかったかもしれませんが…。もっとどういう風に動いたか流れを新人時代から三年位に体験したかった。あまりそういう体験がなくリ-ダ

    • M
    • 2016年 11月 15日

    途中できれてしまいすみません!リ-ダ-をしても…いつも不安で結局パ-トや派遣で働くことになっています。本当は自信を持ってやりたい!任されたい。

    本文にあるような…
    ①片側のしびれ⇨脳梗塞前兆のような時はバイタル計り、意識レベルに注意しながらドクター指示を仰いだらよいですか?
    ②腹痛も胃潰瘍なのか?他の内科的な疾患か
    ⇨嘔吐や吐血など伴うのか…。顔色が悪くショック症状あったりしたら…バイタルと下肢挙げる 意識レベル 呼吸に注意しながらドクター指示を仰ぐ         ⇨腹痛のみに症状が限定されており腹痛時指示があれば従う
    今ひとつ患者さんに起こりうる可能性と看護師対応知識が不足していると思うので、オススメの本や急変事例と対処方法を共有して頂けませんか?

      • ナースマンかず
      • 2016年 11月 16日

      コメントありがとうございます!
      素敵なブログといっていただき、嬉しいです^^

      さて、急変についてですが、

      ①脳梗塞の前兆があった場合には、バイタルサイン測定を行い、全身管理を行いつつ医師に指示を仰ぐ形でよいです。その間に、生命の危機に陥らないように、十分な観察、場合によっては処置が必要になります。処置というのは、蘇生処置となります。

      ②腹痛の場合には、様々な要因が複雑に絡み合っているので、原因が何であるのかをアセスメントする必要があります。元々、消化器の患者さんで入院をしているのであれば、その疾患に伴う腹痛の可能性を考えます。ショック症状になった場合には、原因を考えることも大切ですが、生命の危機に陥ることがあるので、生命を維持することを基本ベースに考えていきますね。

      急変に対応できるのは、基礎的な知識がベースになっているのは間違いないです。ただ、急変時の雰囲気は独特な部分は確かにあります。

      私が救急外来で働いていた時に購入した本は、
      「急変対応のすべてがわかるQ&A」という本でした。
      参考になればと思います^^

    • M
    • 2016年 11月 20日

    解答ありがとうございます。本当に観察ポイントやアセスメントができないとシュミレ-ションもイメージができないですね!
    例えば窒息があったらハイムリックや背部こうだ法もあるけれど、現場ではベットに戻して吸引すると聞くと。他のパターンはやっていいのかな…と実践がないと吸引しか試みれなかったりします。

    急変時のQアンドA 編集者名や出版も教えて頂けますか?

      • ナースマンかず
      • 2016年 11月 21日

      そうですねー。基礎知識があって、初めて最悪のシミュレーションを事前にイメージすることにつながるのではないかと思いますね。
      窒息の場合、どこで窒息したのかと思います。ベッド上で、窒息したのであればMさんが書かれている吸引が良いと思いますし、時間がかかるようであれば、その場でハイムリック法などを行う価値は十分にあると考えます。
      ケースバイケースだと思いますが、知識や技術があればあるほど、応用ができると思いますね。

      本でしたが、「急変対応のすべてがわかるQ&A」編著 佐藤憲明 出版社 照林社 です。

    • M
    • 2016年 11月 22日

    ありがとうございます!

    今は、介護型施設なので車椅子で食事中に窒息が起きることがあります。