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がん終末期ケアは、ルーチンで処置をしない理由とは

今回は「がん終末期ケアは、ルーチンで処置をしない理由」について記載していきますね。

看護師の日常生活援助は、多岐に渡りますよね。

食事が摂れなければ、食事介助をしますし、痰を自分で出すことができなければ、気管吸引を行います。その他にも、SPO2が低ければ、医師の指示をみて酸素投与を検討しますし、尿が出なければ尿道カテーテルを挿入するこもあります。

一般的なケアにも言えますが、患者さんに必要なケアを提供していく必要があります。しかし、がん終末期ケアになると、患者さんに不利益にならないか、天秤にかけながら、ケアを提供していかなければいけません。

では、具体的にどのようなケアをするときに、注意をしていくとよいでしょうか?吸引や酸素投与、バイタルサイン測定と心電図モニターを具体的に解説していきましょう!



がん終末期ケアにおいて、吸引をするときの注意点は?

一般的な場合では、喘鳴や痰がらみが強い患者さんに対して、吸引による排痰を促しますよね。

吸引自体も苦痛を伴うものになりますが、終末期における患者さんには、強い苦痛を与えてしまう場合があります。

終末期の痰がらみは、ほとんどの場合、誤嚥であるとされています。

なんでかというと、全身状態が悪化し、嚥下力や嚥下反射能力も低下します。

つまり、簡単に誤嚥しやすくなってしまい、気管分泌物が多くなってしまいます。

気管分泌物が多くなれば、吸引の頻度も頻回にしたくなります。

ですが、ここがしっかりとしたアセスメントが必要です。

患者さんの負担と痰がらみの程度をよく観察するのです。

痰の貯留が強ければ、吸引をすることは必要でしょう。生命に直結しないような痰がらみであれば、

吸引による患者さんの負担を考えて、経過を見るという方法もあります。

吸引自体も、1回でどこまで行うのかも考えなくてはいけません。

死期が迫ってくると、死前喘鳴が起こります。

この場合には、苦痛を取り除くという視点を最優先にして、無理な吸引は行わないようにします。

ただ、家族が付き添っている場合には、なんとか痰がらみをとって、楽になってほしいと思うはずです。

その時には、頻回な吸引が、逆に患者さんを苦しめる結果になってしまうことを伝えましょう。

その時の状況で、吸引をしたほうが良い場合、様子を見たほうが良い場合があります。

間違えない考え方としては、患者さんの苦痛を与えない方法を考え、安楽に過ごせる方法を考えることがポイントになります。 

がん終末期ケアにおいて、酸素投与をするときの注意点は?

がんの終末期になると、呼吸苦が見られたり、SPO2が低下することは、比較的多いと思います。

SPO2低下=酸素投与

と思いがちですが、ちょっと冷静になってみましょう。

パルスオキシメーターで測定するSPO2低下は、いくつか原因があります。

・患者さんの酸素数値が低くて、SPO2が低値
・体動などのプローブがずれて、正しい測定値が出ない
・末梢循環不全で、正しい測定値が出ない

などが挙げられます。患者さんに、どれが当てはまるのかをアセスメントすることが重要です。

そして、酸素=呼吸苦が必ずしも改善するとはいえません。

低酸素血症が見られる状態で、酸素投与は有効的です。

ですが、

意識が混濁している患者さんが、無意識に酸素を外していることはありませんか?

経鼻カニューレやマスクは、付けるだけで圧迫感や不快感を伴います。行動制限も感じますし、気道の乾燥などを起こしやすくなります。

特に高流量酸素投与は、上記に書いた不快症状も強める印象があります。

患者さんの状況に合わせて、経鼻カニューレの投与できる酸素量まで、もしくはSPO2値は低いけど、呼吸苦症状がないため、酸素投与をしないという選択もあります。

患者さんにとって、酸素投与が良いか悪いかを総合的に判断することが大事になります。

がん終末期ケアにおいて、バイタルサインや心電図モニターを装着するときの注意点は? 

終末期の患者さんは、最期を迎えるときが、迫っていますよね。

患者さんの全身状態が悪いので、頻回にバイタルサインの測定を行い、心電図モニターを常時装着することも多いのではないでしょうか。

確かに夜勤になると、看護師が少ない状況になるので、危機管理という部分では、モニターを全て外すことは現実的に難しいと思います。

私が以前行った終末期の患者さんでは、心電図モニター装着を夜間のみにしていました。日中は、家族がいましたし、看護師の訪室回数も多くしていました。なるべく、患者さんに負担感を感じさせたくなかったからです。

バイタルサイン測定も、各勤務1回程度で、頻回には測定しませんでした。状態把握をして、家族に情報共有する意味も含めて、測定していました。

血圧測定一つをとっても、少なからず患者さんには、負担がかかるので、ルーチンに測定しないほうが良いケースもあるのです。

何のためにバイタルサイン測定をして、何のために心電図モニターを装着するのかを考えてみると、患者さんに合わせたケアを提供できるのではないでしょうか。

医療者が安心するための、バイタルサイン測定や心電図モニター装着ではないのです。

家族が付き添っていなくて、最期が近い時に、連絡が欲しいということもありますよね。

看取りができないことは、多くの家族にとって、ストレスがより強くなります。

状況把握の一つのツールとして、バイタルサイン測定や心電図モニター装着という意味はあると思います。

いかがでしたでしょうか?

今回は、吸引、酸素投与、バイタルサイン測定と心電図モニターに焦点をあてて、書きました。

しかし、がん終末期ケアにおいて、考えなければいけない処置は、多岐にわたります。

重要なのは、患者さんに合わせたケアを提供すると考えること。

ルーチンにケアをすることで、思わぬ不利益を患者さんに与えているかもしれません。

患者さんの状況をアセスメントし、知識をもって、看護ケアを提供していくことが、患者さんに安楽な入院生活を提供することにつながるのです。
 




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