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がん終末期ケアは、ルーチンで処置をしない理由とは③

今回は「がん終末期ケアは、ルーチンで処置をしない理由」について記載していきますね。

以前にも、第一弾、第二弾と書いているので、

がん終末期ケアは、ルーチンで処置をしない理由①

がん終末期ケアは、ルーチンで処置をしない理由②

こちらも参考にしてみてくださいね!

日常生活のケアをしていく上で、様々な関わりがありますよね。これをルーチンで必ず行うのではなくて、患者さんの状態に合わせて、看護ケアを提供していくことが、とても大切です。

患者さんの状態を実際の目で見て、アセスメントをして、適切であるのかを判断する能力が求められます。

では、排便コントロールを行っていますか。食欲不振だからといって、様子を見ていませんか?褥瘡予防を行う時に、注意する点とは?保清について、ルーチンに行うと考えていませんか?解説していきましょう!

排便コントロールを行っていますか。食欲不振だからといって、様子を見ていませんか?

終末期に近づくにつれて、禁食や食欲不振などの症状が出てきます。元気な私達でも、便秘って腹部の不快症状を伴い、程度がひどくなると、腹痛や嘔気、嘔吐につながりますよね。

禁食または食事量が少量=排便がなくても大丈夫

こんな風に考えていませんか?

だとしたら、大きな間違いです。食事が取れなくても、点滴で栄養を補っていますよね。

つまり、腸からの分泌や腸内細菌、粘膜などの影響で、排泄は起こります。

なのに、排泄物を出せない日が続いていたとしたら?

当然、さらに食欲不振を招き、嘔気や嘔吐、腹痛、さらに精神症状のせん妄を引き起こす原因となります。

では、便秘についてアセスメントをするには、具体的にはどうしたらよいでしょう?

・最近の排便習慣と最終排便を確認する
・前回の排便性状(硬い、普通、柔らかい、)
・下血や粘液便ではなかったか

まずは、最低限このような情報収集を行う必要があるでしょう。

その上で、

・下剤を毎日服用しているのか
・頓服として服用しているのか
・内服したことが、今までないのか
・浣腸や座薬を使用したことがあるのか

ここまで情報収集を行い、どのようにすることが、患者さんにとってよいのかを本人と確認しながら、進めていくことが大事です。

排泄習慣は、今までの生活が大きく影響しています。

医療者としては、排泄コントロールばかりの目がいきがちですが、それは終末期ケアとして、最善ではないと考えます。

あくまで、患者さんの想いや価値観、意向を確認し、医療的な情報提供を行い、決めていくのが良いでしょう。

褥瘡予防を行う時に、注意する点とは?

一般的には、自力体動ができない患者さんに対して、体位変換は、褥瘡ケアに有用です。

でも、それをルーチンに行ってよいのでしょうか。

がん終末期の患者さんは、疼痛や神経痛、全身倦怠感著名など、様々な身体症状が見られている場合がほとんどです。

身体症状と褥瘡予防を考えていく必要があります。身体症状が強いのに、むやみやたらに動かすのが、良いとは思えません。

だからといって、除圧をしないことで、褥瘡発生をしてしまったら、患者さんにとって不利益が強くなってしまうのも事実です。

一つの考え方としては、今、患者さんの時期はどの時期なのかを考えることが大切です。

終末期と一言でいっても、予後が月単位の方もいますし、日単位、もしくは数時間以内というケースもあります。

数時間以内の方より、月単位の方の方が、まだ症状コントロールはついている場合が多いです。なので、褥瘡予防に力を入れる形でよいでしょう。

逆に日単位では、最低限の体位変換、数時間以内に関しては、褥瘡ケアをしないほうが、メリットが大きい時もあります。患者さんの希望があれば、もちろん行いますし、これが絶対ではないので、一例として参考になればよいと思います。

つまり、患者さんの時期に合わせて、褥瘡ケアを提供することが大事であり、何も考えずに、決まりごとのように身体を動かすことは止めたほうがよいです。

体位変換以外にも、体圧分散マットレスは、自動的に除圧を手助けしてくれるので、状況に応じて使用していくことで、患者さんの安楽を追及することにつながります。

保清について、ルーチンに行うと考えていませんか?

本来であれば、清潔を保つため、気持ちよくなってもらうという意味を含めて、保清を行っていますよね。

じゃあ、定期的に週2~3回、保清を行えばよいと、ルーチンに考えるのは、止めたほうがよいと思います。

終末期の予後1ヶ月あたりになると、患者さんは、急激に全身倦怠感や疼痛など、様々な身体症状が出現しやすくなります。

このように、身体症状が強いときに、保清をしようとしたら、快よりも不快症状が優先になりますよね。それでは、患者さんにとって、苦痛でしかないのです。

じゃあ、どうしたらいいの?ということになりますが、ポイントとしては、

・1日中辛いのか、時間帯によって落ち着いている時間があるのか
・短時間で終わらせることに、集中すること
・皮膚トラブルが起きないように、可能な時に、保湿を行うこと

これらが挙げられると思います。特に、時間帯によって、身体症状が落ち着いている場合には、わざわざ午前中に行わなくて良いですよね。

それは、こちらの看護師の都合であって、患者さんに合わせたケアとはいいません。

私の病棟には、特殊浴といって、横になったまま入浴できます。なので、苦痛を最小限につとめて、入浴してもらうことができますが、必ず入浴できるとは限りません。

必ず身体症状を確認して、患者さんと意思疎通ができるのであれば、どちらがメリットが大きいのかを相談するようにしています。

意思疎通ができない方であっても、全身状態を観察して、入浴の有無を判断するようにしています。

いかがでしたでしょうか?

どんな処置をするとしても、ルーチンで行ってよい処置はないと思います。

看護師側と患者さんが、一致した処置であるからこそ、初めて必要なケアとなるのではないでしょうか。

一般的に良いとされるケアも、患者さんにとって、苦痛の度合いが強ければ、必ずしも行う必要はないでしょう。

知識として、様々なケースがあることを覚えておいてほしいです。その上で、必ず患者さんの全身状態を観察して、自分の目で確認して、判断する必要が、特に終末期ケアにおいては、求められます。

知識と判断力を兼ね備えることで、患者さんの安楽を追及することができます。一人で判断が困れば、看護師間でカンファレンスを実施し、統一して看護を提供していけばよいのです。本当にこの処置が、患者さんにとって、良いのか?

これさえ考えることができれば、良い看護ケアを提供できるのだと思います。
 




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