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看護師として、酸素療法の正しい知識はありますか?

今回は「看護師として、酸素療法の正しい知識」について記載していきますね。

 

治療中の入院患者さんに、酸素療法を行っていることが多いのではないでしょうか。

 

非常に身近なケアですが、酸素の正しい理解をしていますか?

 

投与方法も様々な方法がありますし、濃度も患者さんによって違いますよね。

 

「酸素は身体に良い。」

 

こんなイメージがありますが、酸素を投与し続けることでの、デメリットも当然存在します。

 

看護師として、酸素の正しい知識を持ち、患者さんを管理していく必要があります。

 

では、酸素療法の適応は、基準があるの?酸素流量や濃度、デバイスの種類は?酸素投与のデメリットはあるの?酸素投与中の患者さんが、SPO2=100%。どう判断する?解説していきましょう!

 

 

酸素療法の適応は、基準があるの?

 

酸素は、身体の機能を維持するために必ず必要な物質になります。

 

この酸素が少なくなると、低酸素血症を起こしてしまいます。

 

低酸素血症の基準としては、

 

・PaO2<60Torr

・SPO2<90%

 

という基本的な基準があります。

 

また、これ以外にも酸素療法の開始基準としては、

 

・低酸素症が疑われる全身状態

・重症外傷

・心筋梗塞

・手術後などの外科的処置後

 

などが挙げられます。

 

じゃあ、なぜPaO2<60Torr、SPO2<90%という基準なのでしょうか。

 

これには、ちゃんとした理由があって、ヘモグロビン酸素解離曲線というのを参考にすると、わかりやすいです。

 

これを参考にすると、上記の基準より上に関しては、平坦な緩い曲線になります。しかし、上記の基準以下になると、曲線が急激に下降しているのです。

 

つまり、急激に酸素量が不足することを意味して、低酸素血症へと移行することになります。

 

なので、上記の数値を下回る場合、酸素療法が必要となるのです。

 

酸素流量や濃度、デバイスの種類は?

 

酸素療法が必要な患者さんがいた場合、医師から酸素流量の指示が出ると思います。

 

その指示に従って、酸素量を調節していきますよね。

 

基本的には、SPO2を見ていくと思いますが、FiO2(吸入気酸素濃度)を理解する必要もあります。

 

FiO2は、患者さんの1回換気量に影響するため、同じ酸素流量でも、患者さんによって数値な差が出ることを意味します。

 

デバイスの種類ですが、鼻カニューラ、酸素マスクは、低流量システム、リザーバー付き酸素マスクを高流量システムというように分けることができます。

 

鼻カニューラは、基本的には酸素4リットル。6リットルまでが限度とありますが、臨床的に、4リットルが限界だと思われます。

 

なぜかというと、酸素ガスが、鼻粘膜への刺激を強くしてしまうためです。

 

酸素4リットルの状態でも、患者さんは不快感を強く感じやすいので、それ以上の酸素量になる

と、酸素マスクへの変更が必要です。

 

また、鼻カニューラは、口呼吸を主にしている患者さんの場合には、あまり効果的ではありません。

 

酸素マスクは、酸素流量が4リットル、もしくは5リットルから開始していきます。

 

全身状態が改善し、低流量にしていく場合には、呼気ガスの再吸入によるPaCO2の上昇に注意し、早期に鼻カニューラに変更することを検討します。

 

リザーバー付きマスクは、酸素マスクでも維持できない場合に、使用していきます。

 

バッグ内に酸素を貯留することができるため、より多くのFiO2を確保することができます。

酸素流量が少ないと、上記に書いたPaCO2の上昇が懸念されるため、酸素流量は6リットル以上が必要です。

 

そのため、酸素量を増減する場合には、常にデバイスが適切であるか検討していかなければいけません。

 

酸素投与のデメリットはあるの?

 

健康な状態な時には、血中のCO2が呼吸中枢を適切に刺激して、呼吸がコントロールされています。

 

しかし、慢性閉塞性呼吸疾患(COPD)などのⅡ型慢性呼吸不全の患者さんに、上記に書いたように酸素を投与するとどうなるか?

 

Ⅱ型慢性呼吸不全の患者さんの場合、普段からCO2が高いので、感受性が失われているような状態です。

 

つまり、低酸素に対して「呼吸をして!」という命令があっても、CO2は「いつも、これぐらいの数値だから大丈夫。」と反応してしまい、ギリギリに呼吸状態が保たれています。

 

このような状態で、酸素を大量投与したとしたら?

 

CO2は、もちろん反応しません。そして、O2も「酸素が足りているから大丈夫。」と反応してしまい、呼吸に対しての刺激がなくなります。

 

そうなってしまうと、呼吸抑制→さらにCO2上昇→CO2ナルコーシスとなってしまうんですね。

 

なので、酸素療法を行う際には、ルーチンに投与するのではなく、既往歴や全身状態を考えて、最善を考える必要があるのです。

 

酸素投与中の患者さんが、SPO2=100%。どう判断する?

 

あなたは、酸素投与中の患者さんが、SPO2=100%を維持していたら、安心しますか?

 

一見すると、酸素化が保たれていると判断しがちですが、すぐに酸素減量を行いましょう。

 

なぜかというと、上記に書いた酸素解離曲線がポイントになります。

 

これを参考にすると、PaO2が98Torr以上の場合、SPO2=100%になります。

 

じゃあ、PaO2が200Torrだとしたら?SPO2=100%です。

 

極端に言うと、PaO2が400Torrだとしても、SPO2=100%です。

 

必要以上に酸素投与をすると、デメリットもあります。また、患者さんの酸素能力が低下し、400Torr→100Torrに変化したとしても、SPO2としては100%になるのです。

 

つまり、呼吸状態が悪化していたとしても、一歩対応が遅くなる可能性があります。

 

そのため、理想的なSPO2としては、98%前後が対応しやすいと考えられます。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

酸素療法を一つ考えてみましたが、様々な知識が必要ですよね。

 

酸素療法は、身近な処置の一つなので、ついついルーチンに対応しがちです。

 

ですが、患者さんがどのような状態で、なぜ酸素が必要なのか?酸素投与後に、どう変化していくのか?

 

ということが、明確になっていないと、思わぬ急変に遭遇するかもしれません。

 

どんな処置やケアをするにしても、しっかりとした根拠を持って対応することが大事です。

 

看護師が正しい知識をつけるという事は、患者さんを安全に看護ケアしていくことにつながるのです。

 




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