検査値!肝臓の数値を理解すると?
今回は「肝臓の検査値」について記載していきますね。
消化器の患者さんを看護していく上で、肝臓の状態を把握することは非常に大事です。もちろん他の疾患を抱えている患者さんに対しても、肝臓が悪化する場合があるので、検査値を理解しておくことは重要ですね。
肝臓の数値を理解するために必要な知識とはなにか?肝臓のメカニズムは?肝臓の機能が維持できているのか確認するためには?解説していきましょう!
そもそも肝臓ってなに?
肝臓には、様々な役割を担っています。
・栄養素の合成や貯蔵、供給する
・胆汁を作り出し、排泄する
・薬物や毒の解毒作用
これらの身体にとって、重要な臓器の一つになります。
肝臓を評価する、ASTとALTってなに?
ASTとALTは、肝臓の細胞破壊を示すマーカーになります。ASTとALTが上昇すると、肝細胞傷害が悪化していると判断できます。
肝臓の現在の状態を詳しく理解するためには?
ASTとALTは、それぞれ酵素です。臓器が傷害を受けると、ASTとALTが血液中に出されます。
ALTは、他の臓器にも存在しますが、圧倒的に多く存在します。なので、ALT上昇=肝細胞傷害があると判断してよいです。
ASTですが、心臓・肝臓・筋肉・腎臓などの順番に多いです。そのため、ASTの上昇だけではどの臓器が傷害をうけているのかを判断することは難しいです。
まとめると、ALTで肝細胞傷害を認めたときに、ASTの上昇度合いを確認し、肝細胞傷害の重症度を判定していくことになります。
ASTとALTの比率を見て、どう考えればいいの?
・AST/ALT<2の場合は肝疾患
・AST/ALT>5の場合は筋肉や血液疾患
これらを疑いましょう。肝臓疾患が疑われる場合には、まずはASTの値がどこにあるのか見てみましょう。
100以下を軽度上昇、100~500を中等度上昇、500以上を高度上昇とします。
ASTとALTが500以上の場合には、急性肝障害を疑います。劇症肝炎に移行した場合には、患者さんの症状が改善していないのに、ASTとALTが急激に低下することがあります。この場合、何が起きているのでしょう?
肝細胞内の酵素がなくなってしまい、AST・ALTが血液中に出なくなるために低下してしまうのです。
肝臓全体の機能が維持しているのか、確認するためには?
肝臓の予備能って聞いたことがありますか?肝細胞傷害が起きても、すぐに肝機能は低下しないようにするものです。しかし肝細胞傷害が強いと、残された肝臓では処理できなくなってしまいます。
記事の前半に、肝臓の機能について記載しましたが、肝臓の代謝が落ちてしまうと、ビリルビンやアンモニアが蓄積してしまいます。アンモニアやビリルビンが処理されずに、高値を示している時は、肝臓の代謝機能が低下していることになります。
末期患者さんの場合、この肝臓の数値が常に逸脱していることが多いです。肝細胞傷害が起きて、肝臓の代謝もおちている状態が続いてしまう。それが続くといずれ肝臓が機能しなくなり、最期の時を迎えることになります。
急性期の患者さん、末期の患者さん、どちらの患者さんの場合でも肝臓の検査値を正しく理解することは、適切な看護を提供する手助けになることは間違いありません。正しい知識を持った上で、適切な看護ができるのです。
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